午前の部
「治りやすいペリオと治りにくい ペリオにおける再評価後の対応」
DR斎田寛之(斎田歯科医院 院長)
「私の考える再 SRP 」
DH片山奈美(斉田歯科医院 勤務)
2019年11月10日、爽やかな秋晴れのもと東京医科歯科大学M&Dタワーにて、第36回日本臨床歯周療法集談会(JCPG)学術大会が開催されました。今回でEpisodeⅥに突入した「歯を残せる歯科医院を目指す!」”再評価後の問題を解決しませんか?”をメインテーマに多くの歯科医師、歯科衛生士が参加し、実りある1日となりました。
午前の部は斉田寛之先生のご講演の後に斉田歯科医院にご勤務の歯科衛生士である片山奈美さんによる発表、討論は辰巳順一先生、品田和美さんをコメンテーターとしてお迎えして行われました。
斎田先生からは歯周病における個体差をどのようにして把握し、その特徴をどうとらえるのか、また把握した特徴からどう未来を読み解くかというお話がありました。大会に参加した多くの歯科医師、歯科衛生士が個々の口腔から歯周病の予後を予測することの大切さ難しさを学ぶことができました。片山奈美さんのご発表では再SRPで治癒したケース、再SRP後に外科処置に移行したケース、それぞれの特徴とその対応についてのお話がありました。日常的な臨床においてSRPを丁寧に行う事の重要性が伝わる素晴らしいご発表でした。
午後の部
歯根形態と骨欠損形態から考えるSRP
Assoc.prof. 辰巳順一 (明海大学歯学部 口腔生物再生医工学講座歯周病学分野)
長期メインテナンスから見直す「再評価後の問題」
DH品田和美(黒田歯科医院 勤務)
午後の部では辰巳順一先生から最小限の浸襲でより効果的なSRPを実地するために必要な基礎知識として、歯根表面の形態、周囲歯槽骨の欠損形態、使用する器具とその使用方法などについて大変わかりやすくまとめていただきました。また侵襲性の高いSRPが付着の阻害、セメント質の剥離、知覚過敏などを引き起こす可能性があることを再認識させられました。
品田和美さんのご発表では患者さんに寄り添い、細かい変化に気づくベテラン衛生士の視点に驚かされました。症例の経過を見直し、今後問題が起こるであろう芽を早い段階で詰むことの重要性、また自分の治療の経過を振り変えることの大切さを多くの歯科衛生士および歯科医師が学ぶこととなりました。
JCPG第36回学術大会も大盛況の中幕を閉じることができ、それぞれにとって学びの多い一日となりました。今後も歯科医師、歯科衛生士、歯科助手をはじめとする歯科医院を形作る全てのスタッフにとって有意義な学会として発展し、またそれが患者の幸せな未来へと繋がることでしょう。
報告者 森井歯科医院 森井浩太